腹痛
腹痛の原因
腹痛は、私たち小児科医が日常診療で非常によく遭遇する症状の一つです。
お子さんが「お腹が痛い」と訴えるとき、保護者の方はもちろん、私たちも「一体何が原因なのだろう?」と注意深く考えます。
腹痛の原因は本当に様々で、軽い便秘から、感染症、時には手術が必要な病気が隠れていることもあります。今回は、お子さんの腹痛について、
その原因や、どんな病気が考えられるのか、そしてご家庭でできる対処法などを詳しくお話ししていきます。
腹痛の原因
腹痛は、お子さんの年齢や痛みの性質、他の症状の有無によって、様々な原因が考えられます。大きく分けると、以下のようになります。
機能性腹痛
これは、検査をしても特に異常が見つからないのに、繰り返しお腹が痛くなる状態です。原因ははっきりとは分かっていませんが、ストレスや生活習慣、腸の機能異常などが関係していると考えられています。当院でも、機能性腹痛のお子さんが多く来院されます。
感染性腸炎
ウイルスや細菌による感染で、下痢や嘔吐を伴うことが多いです。ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。集団生活をしているお子さんに多く見られます。
便秘
便が硬くて排便が困難な状態です。お腹が張って痛みを訴えることがあります。食生活の偏りや水分不足、運動不足などが原因となります。
器質的疾患
これは、何らかの臓器に異常があるために起こる腹痛です。腸重積、虫垂炎、腸閉塞などが代表的です。これらの病気は、緊急手術が必要になることもあります。
腹痛によって引き起こされる病気
腹痛を引き起こす病気は、本当にたくさんあります。ここでは、小児科でよく見られるものをいくつかご紹介します。
感染性腸炎
ウイルスや細菌が原因で、激しい腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが起こります。脱水症状に注意が必要です。原因となるウイルスや細菌の種類によって、症状や経過が異なります。
便秘症
慢性的な便秘で、お腹が張って痛みを訴えたり、食欲不振になったりします。排便時に痛みを伴うこともあります。
腸重積
腸の一部が、別の腸の中に滑り込んでしまう病気です。激しい腹痛を繰り返し、嘔吐や血便が見られることがあります。緊急処置が必要です。
虫垂炎
盲腸の先にある虫垂という部分に炎症が起こる病気です。右下腹部痛が特徴的ですが、初期にはお腹全体の痛みを訴えることもあります。手術が必要になることが多いです。
過敏性腸症候群(IBS)
慢性的にお腹の痛みや不快感が続き、下痢や便秘を繰り返す病気です。ストレスや食事が影響することがあります。
腹痛の処置や治療法
腹痛の処置や治療法は、原因によって大きく異なります。
機能性腹痛
まずは、お子さんの訴えをよく聞き、安心させてあげることが大切です。ストレスの原因を探り、取り除くように心がけましょう。生活習慣の見直しも重要です。整腸剤や漢方薬が有効な場合もあります。
感染性腸炎
安静にして、水分補給をしっかり行いましょう。嘔吐や下痢がひどい場合は、点滴が必要になることもあります。整腸剤や、嘔吐止め、下痢止めなどを使用することもあります。
便秘
食生活の改善が基本です。食物繊維を多く含む食品や、水分を積極的に摂るようにしましょう。それでも改善しない場合は、便を柔らかくする薬や、浣腸を使用することもあります。
器質的疾患
手術が必要になることが多いです。腸重積の場合は、高圧浣腸で整復を試みることもあります。
腹痛についてのよくある質問
Q1. どんな時に病院を受診すれば良いですか?
A1. 以下の場合は、すぐに受診してください。
- 激しい腹痛が続く場合
- 嘔吐や下痢がひどい場合
- 血便が出た場合
- 高熱が出た場合
- ぐったりしている場合
Q2. 家でできる対処法はありますか?
A2. 以下のことを試してみてください。
- 安静にする
- お腹を温める
- 消化の良いものを食べる
- 水分をこまめに摂る
Q3. 腹痛を予防する方法はありますか?
A3. 以下のことに注意しましょう。
- バランスの取れた食事を摂る
- 規則正しい生活を送る
- ストレスを溜めない
- 手洗いをしっかり行う
院長より
お子さんの腹痛は、ご本人にとっても、ご家族にとっても、とても不安なものです。
当院では、小児科専門医が、お子さんの症状を丁寧に診察し、原因を特定し、適切な治療を行います。どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
当院では、腹痛の原因を特定するために、必要な検査(血液検査、レントゲン検査、超音波検査など)を速やかに行い、適切な診断と治療を提供することを心がけています。また、慢性的な腹痛でお悩みのお子さんには、生活習慣の改善や、心理的なケアも行っています。
「もしかして、うちの子の腹痛も何か悪い病気のせい?」と心配されている方もいらっしゃるかもしれません。そんな不安な気持ちを少しでも和らげられるよう、私たちは丁寧な説明を心がけています。どんなことでも、遠慮なく質問してください。私たちと一緒に、お子さんの腹痛の原因を見つけ、元気な笑顔を取り戻しましょう。
